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第2回:アスベスト関連の解体工事に伴う法令とその現場での対策・対応
前回の記事では、アスベストがどのようなもので、お家のどこに使われている可能性があるかをお伝えしました。第2回では、実際に解体工事を行う際に守らなければならない「ルール(法令)」と、私たち業者が現場でどのような対策をしているかについて解説します。
2022年・2023年からの法改正で「報告」が義務に!
実は近年、アスベストに関する法令(大気汚染防止法・石綿障害予防規則)が大きく変わりました。
現在、一定規模以上の解体・改修工事を行う場合、「アスベストが含まれているかどうかの事前調査結果」を労働基準監督署や自治体へ報告することが義務付けられています。
これまでは「ありそうなら調べる」というスタンスの業者も一部にいましたが、今は**「まず調べて、その結果を公的に報告してからでないと着工できない」**という非常に厳しいルールになっています。

現場で行われる「3つの対策」
アスベストが含まれていることが分かった場合、私たちは特別な対策を講じて工事を進めます。一般的な解体工事とは異なり、非常に手間と時間がかかる作業になりますが、安全のためには欠かせません。
1. 飛散防止のための「湿潤化(しつじゅんか)」
「湿潤化」とは、簡単に言うと**「常に濡らした状態にすること」**です。アスベストは乾燥すると粉塵(ふんじん)となって舞いやすいため、専用の薬剤や水を絶え間なく散布しながら、手作業を中心に慎重に取り除いていきます。
2. 作業エリアの「隔離」と「負圧(ふあつ)」
特に飛散しやすいレベル(後述)のアスベストを扱う場合、作業場所を丈夫なプラスチックシートで完全に囲い込みます。
さらに、**「負圧除じん装置」**という機械を使い、囲いの中の空気を外に漏らさない(常に外から中へ空気が流れる状態にする)ようにします。
3. 作業員の徹底した装備
作業員は、特殊な防護服と、高性能な防塵マスクを着用します。作業エリアから出る際も、体に付着した繊維を落とすための専用の部屋(セキュリティゾーン)を通り、外部への持ち出しを徹底的に防ぎます。

アスベストの「レベル」という考え方
アスベストの除去費用や対策の規模は、その「飛び散りやすさ(発じん性)」によって3つのレベルに分けられます。
| レベル | 状態のイメージ | 含まれるものの例 | 危険度(飛散しやすさ) |
| レベル1 | 吹き付け材 | ビル等の梁・柱の耐火被覆 | 非常に高い |
| レベル2 | 保温材・断熱材 | 配管の保温材、煙突の断熱材 | 高い |
| レベル3 | 成形板(固められたもの) | 屋根のカラーベスト、外壁材 | 比較的低い |
一般住宅の解体で多いのは「レベル3」ですが、それでも手作業での丁寧な撤去が求められます。
適切な処理は「マニフェスト」で証明します
取り除いたアスベストは、他の廃材と一緒に捨てることはできません。専用の袋に二重梱包し、指定された最終処分場まで運搬します。
この流れが正しく行われたことを証明するのが**「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」**です。工事完了後、この書類の写しをお客様にお渡しすることで、「法律通り、適切に処理しました」という証拠になります。
第2回のまとめ
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現在は全ての解体工事で、事前調査と自治体への報告が義務化されている。
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現場では「濡らす」「囲う」などの対策で、粉塵が外に漏れないよう徹底している。
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正しく処理されたかどうかは「マニフェスト」という書類で確認できる。
「なんだか難しそうで、費用も高くなりそう……」と不安に思われるかもしれませんが、これらはすべて、ご家族や近隣の方々の健康を守るために不可欠なステップです。
次回の最終回では、**「適正な資格をもった業者選びの重要性」**についてお話しします。
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